基本理解9: 「キリスト者教育Ⅰ:子供」
地区教会共同体の中で行われる、両親の指導の下、子供たちを信仰に建て上げ、それぞれに与えられているその子ならではのライフワークと生涯にわたる学びを始められるよう企画された、本格的に秩序立てられた学びである。
解説:このテーマは結婚する前に理解しておきたかった基本理解のひとつです。結論から言えば「神のかたち」として創造された人間の尊厳性、その個別性を認識し、その子が持って生まれたものをキリストにある救い、「神のかたち」としての再創造の御業についての教えを基盤として育て上げるように取り組むことです。決して親の押しつけ教育ではありません。
エペソ4:23~24 「またあなたがたが心の霊において新しくされ、真理に基づく義と聖をもって神にかたどり造り出された(創世記1:27)、新しい人を身に着るべきことでした。」
コロサイ3:9~10 「あなたがたは、古い人をその行ないといっしょに脱ぎ捨てて、新しい人を着たのです。新しい人は、造り主のかたち(創世記1:27)に似せられてますます新しくされ、真の知識に至るのです。」
各家族において、神の家族教会において取り組まれる「キリスト者教育」は「子供時代」の学びが次の「青年時代」の学びへ、さらに「成人」、そして「老年期」へと発展的につながる生涯教育の学びを実現することです。決して各年代毎に異なる、断片的な学びではありません。そう言う視点から考えると聖書の民、ユダヤ人伝統、タルムード:「父親からの格言」は実に興味深い事例です。
タルムード:「父親からの格言」
5歳 読むことに備える年齢(聖書)
10歳 ミシュナーに備える年齢(律法)
13歳 戒律に備える年齢(バーミツバ-:成人 道徳的責任)
15歳 ゲマラに備える年齢(タルムード討論、抽象的論法・思考)
18歳 フーパに備える年齢(結婚)
20歳 生活力を備える年齢(職業)
30歳 十分な力を備える年齢
40歳 理解力を備える年齢
50歳 知恵を貸すことができるように備える年齢
60歳 年長者となる備えをする年齢(知恵においても、年齢においても)
70歳 白髪に備える年齢(知恵)
80歳 ゲブラに備える年齢(老人力)
90歳 寄る年波に屈するすべを備える年齢
100歳 死んでこの世界からいなくなってしまったかのような状態に備える年齢
ここにあるように神の家族教会における①生涯教育、②幼子からの連続性の中での教育、③その子の人生に影響力の大きい教育が実現できたら、確かな実を結ぶに違いありません。
「神のかたち」としての人間、その尊厳性を考えると、その子に備わったものを引き出す、発展させる学びを実践、実現することほど重要な取り組みはありません。もちろん聖書の規範としての倫理、道徳、価値観を前提に学び、訓練を実現していくものです。とりわけ幼子の時代は両親の役割は大きい。とにかく親子の安心感を最優先し、日常的対話を豊かにします。そして絵本の読み聞かせ、また神の創造された自然の中で体験的に学ぶ機会を作り、普遍的な真理を体験的に身につくように取り組むことです。
時代は大きく変容しています。従来の教育では対応しきれない大きな変化です。そして時代の変革の狭間で「格差社会」が出現し、さらに顕著になっています。その要因は変革時代の到来、そして従来の教育に基づくひずみが生じているのです。これから求められる「教育」の新しいパラダイム:意志的に取り組んだ学習成果としてのレポート, 作品, テストなどの評価資料集である「ポートフォリオ」の重要性です。
〈そのために求められるパラダイム転換〉
1、「型にはまった制度に基づく組織」から「型にはまらない自由な組織」へ
2、「非営利目的」から「益につながる学問」へ
3、「試験・学位制度」から「適正、ポートフォリオ」へ
4、「国家的視野」から「地域社会主導」へ
5、「制度上の権威」から「協力 - 親、企業」へ
6、「現場に備えるためを優先」から「現場で備えることを旨とする」へ
7、「現場教育の軽視」から「現場教育との合体」へ
8、「若者に対する教育」から「人生を建て上げていく教育」へ
9、「学校中心のリソースセンター」から「地域社会主体のリソースセンター」へ
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