2020年6月1日月曜日

解説:基本理解8: 「神学体系」

基本理解8: 「神学体系」

西洋の組織神学ではなく聖書神学に基づき、今までのものを払拭し「使徒の教え」と「文化の中で神学する」という手法に完全に再編する必要のある古くて新しい規範(1)福音を宣べ伝える者は何を学ぶべきか(2)どのような順序で学ぶべきか、の二つを問う。

 

解説:キリスト教に関わる学問は歴史や思想史、哲学、弁証学、聖書学、教義、倫理等々、多方面に及びます。ここで取り上げている「神学大系」は学びの優先順位から注目すべき課題です。つまり学びの優先順と言う視点から聖書全体の意図を明らかにする聖書神学の大切さを理解し、取り組みます。これまでも取り上げてきたようにすべてのクリスチャンが「聖書的に考えることを学ぶ」ことです。つまり聖書の基本原則を思考の基盤として、学びの中心であるいのちの交わりとしての教会共同体の中で指導者も信徒も共に対話・問答することです。そして摂理の内に置かれている「文化の中で神学する」ことによって使徒たちの教えの確立を確かなものとします。 

1、「教え」を読み学ぶ: 福音書、使徒の働き、書簡から「キリストと使徒たちの手法」を学び、使徒的信仰の枠組みを明確にします。理解を確かにするために奥義としての教会について開示された「パウロ書簡」から健全な教義の本質(ケリュグマ、ディダケー)を確認し、その概念を念頭に置き、四つの福音書を読むことで主イエス・キリストの意図が明確に理解できるようになります。つまり、福音に基づく「良いわざ」(善行)、弟子とされた生活の確立を聖書から枠組みを建て上げ、主の宣教大命令に応え得る基礎を築き上げます。具体的な取り組みとして聖書の基本原則の要約(キリスト教世界観)、その上で神学書講読、聖書の各区分、教え、著者たち、主要テーマ、問題等々をまとめていきます。基本原則シリーズ(Ⅰ~Ⅲ)はこうした考えに基づいて構成されています。 

2、問題と言外の意味をしっかり考える: 自分自身で、各家族で、教会で、そしてこの世の生活のなかで共に再考します。結果として体系的に文化的問題、社会的、政治的、経済的課題、および文化の問題の実態を提示し、信仰の弁明として基本的な文化とキリスト教の有り様を明らかにしています。信仰共同体を取り巻く文化への応答として、異なる世界観と諸宗教に対していかに関係し、親しみ、かつ自らの信仰を守るかを明らかにします。地域社会およびこの世での日常生活、家族、お金、仕事、様々な関係、さらに時間、伝道牧会活動、優先事項等々を明らかにします。 

3、考えたことを自分のものとする: 聖書の基本原則に基づく学びから、一歩踏み出し決断し、個人的な取り組み課題、また生活習慣等を確立していきます。その結果としてクリスチャンとしての生き方、その存在に対する人々の注視、そしてその人々からの問いかけが発せられることにより福音の証しの機会が与えられます。「問いかけ」に応答することで宣教の実を結び、こうして「主の宣教大命令」に応え、いのちの交わりとしての教会が広がっていくのす。大切なのは信じ救われたクリスチャンたちが建て上げられ、家族が建て上げられ、福音に基づく生き方を確立することです。 

このように自分たちが置かれた「文化の中で神学する」ことで「使徒たちの教え」を確立していきます。さらに宣教に対する「実践神学」を発展させます。つまり、聖書と文化の光の中で、現在の教職者を評価してみる、また、個人、家族のミニストリー戦略(広範な奉仕活動、仕事、地域への奉仕、教育、様々な才能、時間、お金の用い方等々)を描いてみる。また指導者たち、牧師・宣教師たちの戦略(世界中で必要な教会を支援すること、救援と開発、地域での様々な奉仕活動、牧会的配慮、気配り等々)を描きます。

まさに各教会共同体のなかで、かつ「学習者主体」の学びによって、聖書の基本原則から聖書全体を解し、主の宣教大命令に応え、実を結び「信仰による神の救いのご計画の実現」に至るのです。

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