2020年5月21日木曜日

解説:基本理解6:「神学教育」


基本理解6:「神学教育」

神学とは教会を生み出し、牧会していくために十分に整えられた牧会指導者たちを育てる作業である。と同時に性別職業年齢に関係なくすべての信者が「聖書的に考える能力を高める」ための生涯にわたる作業である。

 

解説:「神学教育」と言うと、学問として神学、近世になって体系化された教理的研究の「組織神学」を中心とした神学研究を思い浮かべるのではと思います。それ自体、決して否定されるものではありません。C-BTEマニフェストで注目しているのは本来の神学、つまり神のことばである聖書の意図を「神学する」ことです。これは福音に出会い、受け入れ、クリスチャンとして新たな生活への一歩を踏み出したすべてのクリスチャンが取り組むべき「神学教育」、優先すべき「神学教育」です。同時にその「聖徒の建て上げ」の延長線上に新たな神の家族、教会を生み出していく指導者たちを建て上げる基盤となる取り組みなのです。

 指導者になる、ならないに関係なくすべてのクリスチャンが生涯に渡って「信仰による神の救いのご計画の実現」に至るよう「神学する」取り組み、つまり「聖書的に考える」クリスチャンを建て上げる取り組みです。そのために毎週の主日礼拝における牧師の説教がある、と考える方がおられると思います。しかし、礼拝説教は聞き手に徹するが故に問題意識を持って臨むクリスチャンでない限り、それは決して「神学する」、自ら考えるクリスチャンを建て上げるには十分ではありません。そう言う意味では牧師、また教会の指導者たちがクリスチャンたちのために学びの基本を指導し、その上でクリスチャン自身が生涯に渡る取り組みに着手できるように備えてあげる必要があります。そのようにしてすべてのクリスチャンは「考えるクリスチャン」として、人生のあらゆる場面で知恵ある振る舞いを実現し、宣教の実を結んでいきます。

パウロはイエス・キリストを救い主として信じ、受け入れるということはどういうことなのか、そのことについてクリスチャン自身、主体的に考え、思い巡らすように勧めています。クリスチャン個々人、意志的に思考するようにとの命令、指示です。「信じます。--- 知っています。--- 思いなさい」に注目して以下の聖書箇所、その文脈を考えてみて下さい。 

ローマ6:1~3 「それでは、どういうことになりますか。恵みが増し加わるために、私たちは罪の中にとどまるべきでしょうか。絶対にそんなことはありません。罪に対して死んだ私たちが、どうして、なおもその中に生きていられるでしょう。それとも、あなたがたは知らないのですか。キリスト・イエスにつくバプテスマを受けた私たちはみな、その死にあずかるバプテスマを受けたのではありませんか。」

6:8~9 「もし私たちがキリストとともに死んだのであれば、キリストとともに生きることにもなる、と信じます。キリストは死者の中からよみがえって、もはや死ぬことはなく、死はもはやキリストを支配しないことを、私たちは知っています。」

6:11 「このように、あなたがたも、自分は罪に対しては死んだ者であり、神に対してはキリスト・イエスにあって生きた者だと、思いなさい。」 

その他の聖書箇所:

ローマ 8:5(救われた自分の内に内住する御霊の思いに注目し) 「肉に従う者は肉的なことをもっぱら考えますが、御霊に従う者は御霊に属することをひたすら考えます。」

ローマ 14:5 「ある日を、他の日に比べて、大事だと考える人もいますが、どの日も同じだと考える人もいます。それぞれ自分の心の中で確信を持ちなさい。」

Ⅱテモ 2:7(「キリスト・イエスにある恵みによって強くなりなさい」との勧めについて) 「私が言っていることをよく考えなさい。主はすべてのことについて、理解する力をあなたに必ず与えてくださいます。」

ヘブル 4:12(神のことばを自分の思考の中心に据えることで) 「神のことばは生きていて、力があり、両刃の剣よりも鋭く、たましいと霊、関節と骨髄の分かれ目さえも刺し通し、心のいろいろな考えやはかりごとを判別することができます。」 

ヨブ記 37:14 (因果応報の視点からヨブを責め立てた三人の友人たちに代わって、神の主権を語るエリフの問い)「これに耳を傾けよ。ヨブ。神の奇しいみわざを、じっと考えよ。」

詩篇 77:12 (なされた神のみわざに)「私は、あなたのなさったすべてのことに思いを巡らし、あなたのみわざを、静かに考えよう。」 

 私たちはキリストにあって救われた、そこで終わらない。信じたことはどういうことかを考える、キリストにあった新しき生きることについて考える、その新しさとは具体的にどのような振る舞いなのかを考え、新たな一歩踏み出すことです。日々新たにされていくことをみことばに基づいて考えながら、神の再創造の御業を体現していきます。「--- 滅びて行く古い人を脱ぎ捨てるべきこと、またあなたがたが心の霊において新しくされ、真理に基づく義と聖をもって神にかたどり造り出された、新しい人を身に着るべきことでした」(エペソ4:2224)。

 基本原則シリーズⅠ~Ⅲは、すべてのクリスチャンが本来の「神学する」ことを目的として編集されています。 

〈包括的C-BTE の5つの主要方針〉「キリストと使徒たちの手法」に基づく

1. C-BTEは地区教会の生活と諸教会の活動に根差していなければならない。〈教会主体〉

2. C-BTEは忠実な人々に健全な教えをゆだねることを第一の目的とする。〈委任:次世代リーダー〉

3. C-BTEは教会を建て上げるという目的のために用いられるものである。〈奥義としての教会〉

4. C-BTEは立場の違いを超えてすべての男女に必要なものである。〈聖徒の建て上げ〉

5. C-BTEは信仰の「基本原則」の学びから始めるものとする。〈学習者主体〉

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