2020年7月29日水曜日

解説:基本理解17:世界規模での宣教戦略

基本理解17: 世界規模での宣教戦略

ローマ全域にユダヤ部族が離散し、ローマが世界都市となって行く状況の中で起こる文明の衝突を通して世界の秩序を作り変えるという、時世をわきまえた「パウロ的」福音宣教を実践、実現することによって福音を21世紀の世界に広めようという戦略計画である。

 

解説:C-BTEパラダイムに基づく「世界規模での宣教戦略」はすでにBILDインターナショナル(https://bild.org/philosophy/growth-of-the-early-church)がその構想を描き実践しています。私たち「C-BTEジャパン」もそのメンバーとして共に研修し、指導、助言をいただいています。

 優先順位として、この日本でC-BTEパラダイムに基づく教会建て上げに取り組む諸教会がC-BTEパラダイムを実証し「世界規模での宣教戦略」をも共有する教会のネットワークを再構築することです。

パウロの宣教戦略の核となっているものを理解しておく必要があります。エルサレムからローマへと拡がる宣教の基点となったのはユダヤ人の集まる会堂(シナゴーグ)が大切な役割を果たしています。パウロは同国人であるユダヤ人に対して、共に待望していたメシヤはあの十字架上で殺された「イエスこそキリストであった」ことを伝えたかったのです。その熱い思いを証言しています。ローマ9:23「私には大きな悲しみがあり、私の心には絶えず痛みがあります。もしできることなら、私の同胞、肉による同国人のために、この私がキリストから引き離されて、のろわれた者となることさえ願いたいのです。」しかし、行く先々で同国人から拒絶され、迫害されました。しかし、同国人の拒絶が異邦人へと向きを変えることになっていきます。

そうした中で、異邦人は異邦人でもすでに聖書の教えに共感し、ユダヤ人会堂に出入りし、割礼を受け、ユダヤ教に改宗することはせず、創造主なる神を知った人たち、しかも神の教えを学び、聖書の規範、価値観、倫理観に共鳴し、聖書に基づいて生きている人たちでがいました。「神を敬う」人たち、「備えられて器」の存在です(使徒13:43、16:14、17:4、17:17、18:7)。その人たちがパウロの宣教に応答したのでした。つまり、『ローマ全域にユダヤ部族が離散し、ローマが世界都市となって行く状況の中で起こる文明の衝突を通して世界の秩序を作り変えるという、時世をわきまえた「パウロ的」福音宣教』の一端を証言するものとして興味深い事例です。このようにしてパウロの宣教戦略は思いがけない仕方でエルサレムからローマへと宣教の拡がりを実現していきました。

何よりも日本の諸教会もパウロに開示された「奥義としての教会」、家族の家族としての神の家族:教会共同体を建て上げようと取り組む指導者が起こされることを祈り、この一事に励みたいものです。

0 件のコメント:

コメントを投稿