2020年11月10日火曜日

解説:基本理解29:「基盤-企業モデルではなく、いのちの交わりとしての教会家族共同体」

基本理解29:「基盤-企業モデルではなく、いのちの交わりとしての教会家族共同体」

クリスチャン財団のあり方を教会家族財団へと再編する。財団の目的は教会主体の伝道計画を支えることであると同時に「パウロの宣教チーム」の一員となるように再構築する。また「企業モデル」ではなく霊の監督たちから成る均衡ある経営体制のあり方へと理解を深める。 

 解説:福音に基づく「良いわざ」と一体としての宣教、主の宣教大命令を実現していくことについて取り上げてきました。この項にある「クリスチャン財団」は「良いわざ」のひとつで、単にビジネス感覚、賜物で運営するのでなく、教会の指導者として建て上げられた器がリーダーシップを発揮することです。逆から言えば教会の指導者として建て上げられる器が同時に様々な「良いわざ」を推進する会、さらに財団においても健全なリーダーシップを発揮するように取り組むことです。神の家族共同体の中で建て上げられる指導者は教会家族のみんなの理想、模範的成熟さを身につけている器です。

 すでに教会によっては「給食活動」とか、貧困家庭に食品等を提供する「フードバンク」などに取り組んでいます。特にC-BTEパラダイムに取り組み始めた教会が福音に基づく「良いわざ」と一体としての主の宣教大命令を応えて行こうとする時に、このマニフェストの「基本理解29」に向き合い、考えなければならない課題です。


2020年11月8日日曜日

解説:基本理解28:「各教派の伝統を再考し、改めて聖書に戻って教会建て上げ活動を目的とした再構築を志向する」

 

基本理解28: 「各教派の伝統を再考し、改めて聖書に戻って教会建て上げ活動を目的とした再構築を志向する」

プロテスタント各派は今までの伝統を再度、聖書に戻って再考し、改め、今の宗派の根拠となっている「宗派の伝統」ではなく「キリストとその弟子たちの手法」という初代教会のDNAを持って教会を建て上げる活動へと目的を改める必要がある。そうすることで主流派(高教会派)の伝統を持つか、福音派の伝統を持つか、ペンテコスト派の伝統を持つかといった今の肥大化した分け方にあてはめようとせずに南半球で起こっている「新しいキリスト教世界」の誕生を促進する。

 

 解説:この基本理解はC-BTEパラダイムを考える時にとても大切な視点です。「パラダイム転換」ということを耳にするだけで抵抗感を覚える方がおられると思います。これまでその教会が所属する教派、教団の伝統を大切に、また誇りを持って教会建て上げに専念してきました。それだけに聖書の意図である、と言われてこれまでの習慣を変えてまで新たな一歩を踏み出すのは容易ではありません。具体的事例を挙げると献金の仕方の自由度はどうでしょう(Ⅱコリント89章)。それこそ容易な課題ではありません。主の晩餐記念、多くのプロテスタント教会では「聖餐式」として定着し、バプテスマを受けた信者のみが預かることができます。この主の晩餐記念の自由度はどうでしょうか。初代教会はクリスチャンになった兄弟姉妹が共に集まり、キリストによる救いを喜び合う愛餐会、つまり食事を共にする「主の晩餐記念愛餐会」でした。またその集まりの証しの場、宣教の実を結ぶ交わりでもあったのです。さらに教会の主要な集まりである主日礼拝、そのプログラムを含め、主の教える「集まり」に関する原則(参考聖書箇所:ヘブル101925)と付き合わせたときにどこまで変革の可能性があるでしょうか。

 福音に感動し、喜び、そのことのゆえに隣人から隣人へ、自然発生的に福音を語り、福音を喜び合う兄弟姉妹の神の家族が広がっていく、つまり、真のいのちの交わりとしての共同体が広がっていく、そのような教会の有り様が現実となればと思います。

 福音に感動し、喜び、そのことのゆえに隣人から隣人へ、自然発生的に福音を語り、福音を喜び合う兄弟姉妹の神の家族が広がっていく、つまり、真のいのちの交わりとしての共同体が広がっていく、そのような教会の有り様が現実となればと思います。

2020年11月7日土曜日

解説:基本理解27:「救済と開発・発展のための組織-教会活動への融合」

 

基本理解27: 「救済と開発・発展のための組織-教会活動への融合」

救済と開発、発展のための組織は教会活動に融合される必要がある。計画ごとに「ソダリティー(教派教団の縦型組織)・モダリティー(教派を超えた広域組織」」という考え方を持って成熟したパウロの宣教チームが教会ネットワークに資力と人材を配置し直す。

 

 解説:前項の「基本理解26」においてソダリティー、モダリティーについて、論理的優先順位の視点から奥義としての教会の主体性に焦点を当てました。その上でC-BTEパラダイムに基づく各個教会の主体的な建て上げがなされ、福音に基づく「良いわざ」と一体としての主の宣教大命令に応えていく教会の有り様について明示しました。そのことを前提に共有するC-BTEパラダイムに基づく教会間のネットワークが再構築され、パウロのような使徒的指導者が主導する宣教チームが機能するようにするということです。

そうであるならC-BTEジャパンのネットワークの中でソダリティー、モダリティーの基本的な考え方を展開することが可能になるのではないでしょうか。特に教会ネットワークの中でパウロのような使徒的指導者が主導する宣教チームがモダリティーの宣教チームとして主の宣教大命令を全国的に、また全世界的領域へと展開できるようになることが聖書の意図であることに注目したいと思います。C-BTEジャパン教会ネットワークの目指す確かな目標です。


2020年11月5日木曜日

解説:基本理解26:「パラチャーチ組織-真に教会に根ざした伝道事業への再構成」

基本理解26: 「パラチャーチ組織-真に教会に根ざした伝道事業への再構成」

パラチャーチ組織そのものを「ソダリティー・モダリティー」という考え方を持ち、パウロの宣教チームと教会ネットワークを正しく推奨する手段として真に教会主体の伝道事業に再構成する必要がある。

 

解説:宣教学者ラルフ・ウィンターは、主の宣教大命令に応え、その使命達成にはモダリティー(Modality教団のような縦型組織)のみならず、ソダリティー(Sodality教派を超えた団体、横に広がる運動)が重要だと提言しています。

 その前提としてのC-BTEパラダイムの核心部分は「奥義としての教会」であり、その教会に主の宣教大命令が託され、そのためにいのちの交わりとしての教会共同体の中で聖徒を建て上げ、その使命達成を実現していきます。かつ「奥義としての教会」、その実体はそれぞれの地域に存在する各個教会です。

教会はそれぞれ置かれた地域の中で寄与・貢献し得る神の家族共同体として建て上げられ、福音に基づく「良いわざ」を実践する共同体です。教会の成長度合いに応じて身近なところから初めて、宣教の広がりと共に地域に、さらに国全体へと展開できるとしたら、C-BTEパラダイムに基づく信仰の実体を示すことになるのです。地域貢献は宣教と一体のものとして取り組みます。そのように取り組む教会のネットワークを再構築すること、これこそ「パラダイム転換」が目指すものです。そのために教会を構成するクリスチャン、クリスチャン家族が聖書の基本原則に基づいて確実に建て上げられていることが大前提になります。

2020年10月22日木曜日

解説:基本理解25:「地球規模の隣人から隣人への宣教、開拓を推進する神学に熟達する」

 基本理解25: 「地球規模の隣人から隣人への宣教、開拓を推進する神学に熟達する」

一例として地球規模のペンテコスト主義は20世紀、21世紀の驚異であり、南半球への福音の広がりの主な原動力となっている。その中で教会建て上げが行われ、教会が神学に熟達し、実を育て、自分たちの文化全体への影響を確実なものとしていることを真剣に受け止めなければならない。

解説:真に福音理解を会得したクリスチャンには何物にも変えがたい喜びがわき溢れます。その喜びのゆえに自分の隣人や身近な家族、友人に福音を語りたい、という思いは新たないのちの衝動のようなものです。さらに聖書の「信仰による神の救いのご計画」、その実現に対する理解を確かなものとなることで福音を紹介したい、との思いはさらに強くなっていくはずです。

こうしたクリスチャンに対していのちの交わりとしての共同体である教会はそのクリスチャンの福音に基づく人生設計を再構築するために秩序だったクリスチャン教育が行われる必要があります。基本原則シリーズⅠ-Ⅲは最初の取り組みです。「信仰による神の救いのご計画の実現」に至る学習主体の学びは教会内外において、つまり信仰者の中で、また未信者の中でも寄与・貢献し得るクリスチャンとして建て上げられます。そのことによって、語る福音の確かさを実証するクリスチャンとなります。結果的に「隣人から隣人へ」と宣教の実を結ぶことになります。


解説:基本理解24:「宣教団のネットワークとしての再構築」

 

基本理解24:「宣教団のネットワークとしての再構築」

C-BTEパラダイムに基づく宣教団のあり方をネットワークとして再構築し、必要不可欠な宣教師をパウロのチームに再配置して教会を建て上げる働きをするアンテオケ教会に遣わし、働きを加速させる。

 

解説:「宣教団ネットワークとしての再構築」については大前提があります。C-BTEパラダイムを共有する教会の確かなネットワークが存在することです。そう言う意味で、この日本では今後の課題、目標であり共に考えるべき基本理解です。C-BTEパラダイムに取り組む教会がC-BTEパラダイムを実証しつつ、エペソタイプの教会、さらにアンテオケタイプの教会へと建て上げられていくことです。2020年度4月から取りみ始めた「C-BTEジャパン:教会ネットワーク」再構築の先に教会主体の宣教がこの日本から世界へと広がっていくことを期待し、着実に取り組みたいと願っています。


2020年10月9日金曜日

解説:基本理解23:「リソースセンターとしての神学校改革」

 

基本理解23: 「リソースセンターとしての神学校改革」

神学校はリソースセンターとして改革される必要がある。神学校は教会を主体とした神学教育を全国、世界規模で繰り広げていくという目的のためにその財産や人材を再配置し、実質的な神学教育ネットワークとなる。

 

解説:2002年の3月に「仙台バプテスト神学校」がC-BTEパラダイムのインターナショナルネットワークを推進するビルドの代表ジェフ・リード師をお招きし、C-BTEパラダイムの研修に着手しました。その「仙台バプテスト神学校」がこの日本で最初にC-BTEパラダイムへの転換(2005年)を決断したのです。主として本校の理事、教師たち、さらに有志の牧師たちが集まり取り組み始めました。

 本校はいわゆる教派団体所属、直属の神学校ではなく、独立した理事会の基に取り組む教育機関です。そう言う意味では教育理念の転換はさほど混乱はなかったと言えます。しかも専任教師たちは全員牧会に携わる牧師たちで、教会主体の神学教育・指導者育成は取り組みやすかった、実証しやすかったと言えます。しかし、現実は必ずしも理想的な実証には至っていない、と言うのが正直なところです。共に知恵を得る取り組みが必要です。そして教派を超えて軌道に乗ったかと思われたときに「3.11東日本大震災」に遭遇し、中断を余儀なくされ、現実は容易ならざる状況の中で試行錯誤の取り組みが続いています。さらに、一番身近な友好団体の教職たちの理解を得るためにさらに説得力のある取り組みが必要と思います。それで現在はリソースセンターである神学校教師たちがC-BTEパラダイムについて研修を継続しながら、身近な教会から起こされる献身者の教育・指導、育成を現実に即した仕方で取り組み支援することに専心しています。

 平行して諸教会でC-BTEパラダイムに取り組む「C-BTEジャパン教会のネットワーク」の再構築を目指して再始動し始めました。しかし、その矢先に「新型コロナウイルス感染」の広がりに直面し、足踏み状態が続いています。感染対策に知恵深く取り組みつつ、小規模でも大切な手法「対話・問答」を重ねながらC-BTEパラダイムを実証、教会主体神学教育を実現する教会が着実に起こされるよう願って取り組み始めています。

 リソースセンターとしての取り組みの一つに文献の紹介、翻訳出版、日本人指導者による執筆、出版があります。その先駆けとして「再創造のみわざ:福音に基づく〈奥義としての教会〉」建て上げられるべき「神のかたち」(仮称)という書物を「いのちのことば社」から出版予定しています。神様の救いのご計画を聖書全体から読み取り、C-BTEパラダイムの確かさを実証しようとの試みです。一つのたたき台として用いられればと願っています。